睡眠薬

中学の頃は特にドラッグの知識があったわけじゃない。睡眠薬を倍飲んだ。次の日に模擬試験があったのになかなか寝れなかったからだ。倍飲めば寝られると思った。

小学生の頃から咳止め薬の味が好きで、咳止めスプレーはあればあるだけ使った。マジックインキの匂いも好きだった。無意識ってやつは頭が悪いのかもしれない。

次の日起きたらものすごくフラフラした。車酔いの強烈なやつ。そのまま自転車に乗ってなんとか試験会場に着いたはいいが吐き気がする。

仕方がないから試験中に便所に行って吐いて、帰った。空が3秒おきに色を変えていた。水に溶かしたアクリル絵の具の紫とオレンジと、原色の水色。

 

今日俺は夕方眠った。あまり深く寝れなくて半分覚醒していた。夢の中はやたらリアルで、神社の中で70歳くらいの短髪で白髪の女が、読経、木魚の音をサンプリングしてテクノを作っていた。俺は一人で踊っていた。周りの人間は俺と白髪の女を遠目で見ていた。俺はその世界にずっと居たいと思った。起きて、Aphex Twinを聞きながら、俺は睡眠薬が欲しいと思った。

明日になれば俺は母親の子宮から出て20年目になる。20年間で得たものはなんだ?肥大する無知、タバコの吸い方、猫の撫で方。

二十歳の誕生日プレゼントに、二十歳から逃げるための睡眠薬が欲しい。


f:id:annalisamoscuwa:20170303000124j:image
 

広告を非表示にする