スラッジ禅問答

ダダは何も意味しない。

俺がどうしてサブカルになったのか。

高校時代、いろんなものを引き摺って生きていた。それなりに面倒なことがあり、それなりにいろんなところで馴染めなかった。

中学時代、ヘビメタが好きだった。ヘビーであればなんでもよかった。その頃はヘビーに固執していた。とにかくすべてがヘビーであればそれだけで満足だった。でも家庭環境ががヘビーなのは余計なことだった。

その気はあった。ヘビメタが好きな時点でその気はあるだろう。確かにその気はあった。実際、周りとは違うヘビーな音楽を聴いてる俺がかっこいいと思ってた。

俺はどんどん深みにはまり、ニコ生で知り合ったかたから高校に入った頃ぐらいにハードコアパンクを教えてもらった。

ハードコアは速さだった。ヘビーはその頃俺のなかでどうでもよくなっていた。次はファストにこだわるようになった。「ファーストフード食いに行こう」と言う友達に、「違う、ファストや。ファストフードや。訂正しろ。」と口煩く叱る俺は速かった。速い男だった。童貞を捨てるときに、「早いな。」と言われたのは余計なことだった。

ラインの返事が速いと女の子の間で噂になった。友達が少なかったその頃、ちょくちょく連絡してたやつにMさんと言う人がいた。

ファストフード店で働いていたMの店に行き、一緒に家に帰っている途中、彼女から告白された。衝撃だった。仕事お疲れ、と奢って格好つけようと企てている俺は思わず買った彼女へのカルピスのロング缶を路上に落とした。

俺は唯一デブのNとイケメンのNって友達が居た。彼女はイケNが好きだと俺に伝えてきたのだった。

いいとこ見せようと、あわよくばと思いながらギターを弾いていた5分前の俺を殺したかった。

その1ヶ月後にイケNとMが付き合いだした。イケNはサブカルの気があったが、Mとつきあうと言う化学反応により、近くに寄るだけで自然にサブカルの香りを撒き散らすような、そんな男になってしまった。

月日は流れ、半年後、イケNとMと仲良かった俺は、大森靖子にストーカーされてると思い込む統合失調紛いのサブカルと化していた。そんな俺にMがIって女の子を紹介してくれた。

Iはサブカルを絵に描いたような女の子だった。俺はIと仲良くなるにつれ、その匂いを強烈に吸い込んでいき、やがてIよりサブカルになった。Iは俺に吸いとられたお陰か、高校を卒業する頃にはサブカルじゃなくなった。

小説で言うと綿矢りさ村上龍西村賢太なんかを教えられた。

映画なら害虫、リリィシュシュのすべて。

音楽なら椎名林檎なんかを。

悪の華は読んだ?」「俺の目玉を舐めてくれないか?(これはサブカルと言うより性癖か。)」「蛇にピアス?あれは駄作だね。クリトリスにバターを、失礼。村上龍限りなく透明に近いブルーは読んだかい?」

とにかくクソサブいサブカルになった。

俺はやがて大学生になった。彼女が出来た。彼女は、Iよりもサブカルだった。俺はまたもや匂いを強烈に吸い込み、どんどんサブくサブくなった。サブクァル、俺はサブくあるべきだと思い込み始めた。

そこからどんどん大学内で友達を増やし、洗脳した。

「ヒッピームーブメントってのはさ、要するに知覚の扉をさ」、「ダダイズムにおける哲学は」「プログレはいいよ、プログレは。」

最早救いようがない、大槻ケンヂを読んで泣くような、クソサブカルと成り果ててしまった。

いいか、サブカルはうつる。国に要求する。サブカルは隔離すべきだ。サブカル隔離政策を実行せよ。