親父について

最低最悪の気分だ。水曜日の夜、12時を回った。

俺はタバコを吸って、ソファで寝転んでいる。自殺したいとは思わない、でも俺にはなにもできることがない。

2chのスレでも見て笑うだけだ、今日を生きるために。

スレを見ていて思い出した。そのスレは、「トラウマを思い出させるような画像張ろうぜ」的なやつだった。

いじめだとかの画像は、俺にはよくわからなかったが、小学生の子供が学校の帰りに、クラスメイト2人に荷物持ちをやらされてる画像を見て思い出した。

児童参観日だった。親父がスーツで見に来てくれた。お母さんは多分妹のを見に行っていた。

授業も終わり、俺は親父とふたりで家に帰ることにした。

「お前、ゲームしやへんか?」

「やろう。」

「じゃんけんに負けた方が次の電柱まで持つ。じゃあ、じゃんけん!」

親父が負けた。今思えば大して重くもないんだろうが、親父が重いフリをして荷物を持っていく。俺は走って次の電柱まで。

次は俺が負けた。親父の鞄は重かった。それを持って歩くが、電柱までが親父のさっき歩いた距離より長かった。

「がんばれよー。手伝わへんからなー。ルールはルール。」

俺はなんとか頑張って電柱まで歩いた。

それから次に親父が負けたとき、俺より長い距離を歩くことになった。

「ずるいやんけ。」

「ルールはルールなんやろ?」

ふたりで笑って帰った。

中学の参観日にも来てくれたことがあった。

家庭科の実習でみたらしだんご作りだった。俺の班は手際が悪かった。

「片栗粉はお前、水溶きか?」

「え?わからん。」

「貸してみろよ、こうやって。」

同じ班のやつは若干引いてたし、他を見渡しても他の親は一人も手伝ってなくてすげえ恥ずかしかったけど、俺は何となく嬉しかった。

 

家で優しくされたことはなかった。