いったいなににわろてんねん

ついに手持ちの精神安定剤が切れた。ってか、一瞬でなくなった。

医者に行く憂鬱な朝。最低な朝。寝てない。

ウイスキーを飲んでいくのは筋違いだってことで断酒。イライラしながら家を出ようとしたが、判子がない。部屋に戻って確認してもう一回外に出る。

定期がない。部屋に戻って確認して財布に詰め込み、もう一回外に出る。

外は暑くて黒いTシャツが焦げているみたいに暑い。腐った匂いが俺から漂う。青春の汗、なんて綺麗なもんじゃなくて、畦道の腐った泥に足を踏み抜いたときの最低な香り。

走って駅に向かう。改札を抜けたと同時に電車が行ってしまう。

どうもげんなりするよ。最低だ、最低だ、最低だ。

待合室に入り、クーラーの風を全身で浴びて、全身が包み込まれながらスマホを打つ。憂鬱だ。

前の席のデブがうちわ、そいつのとなりのオバハンが扇子、俺のとなりのおばあちゃんが扇子を一斉に扇ぎ出した。

俺だけが仲間はずれの気分だ。端から打ち合わせがあったかのような華麗な扇子捌き。前のおっさんは短パンで、その間に風を起こし悦に浸っている。俺その不快な風を足元に浴びて気分が悪くなる。

でも、その三人の涼しさと言う悦楽を求める姿に俺は感動した、笑った、泣いた。微妙でつかみようのない幸せってやつを浴びた。おっさんの短パンの間を通り抜けてくすきま風から。

電車が到着して3分で心療内科がある駅につく。駅につく寸前に女子高生がこっちに来た。大声、いや、奇声とも取れる歓喜にうちひしがれながら。

「えぇェェェーっっっっ!!!!乗ってたんやあァァア!!」

そこから始まる二人の大爆笑。

お前ら、いったい何がそんなにおもろいねん。

心療内科に着き、気違いの演技を始める。診察室に通され、睡眠薬をもらう。

合計150錠の処方箋の紙を見て、俺は大爆笑しそうになる。

俺、いったい何にわろてんねん。

 

人生はチョロい。働いてなければの話だが。