スラッジ禅問答

ダダは何も意味しない。

9日水曜日

人通りの多い中を歩いていた。溝臭い朝だった。排水口とキスをしてるみたいな気分で、死にそうになりながら薬局でアネトンを買った。

昨日、俺は頭がおかしくなりそうだった。何処に行けばいいかわからなかった。昨日はバーで知り合いの人とずっと話して、それでもスッキリしない心の中のなにかを埋めるために夜の街をほっつき歩いた。誰も居ない場所を、繁華街のネオンが消えたところでタバコを吸って、指先をそっと火に当てた。となりで彼女がピアスを開けていた。

日常は、他人から見れば恵まれてるだろうが気分は最低。いつまで経っても役立たずの俺は、世界と闘ってる、何故?

居酒屋で年齢確認され、断られ、カラオケに行き、泣き、バカみたいに食い、そのあとネカフェに行った。

ネカフェで、俺は外を見ていた。少しずつ、なにかが晴れていった。膿が少しずつ出てる。この調子。

二人で動物園に行った。柵を越えて、檻の真ん前で。マンドリルが近づいてきた。俺は、泣きそうになった。得たいの知れない感情と、退屈な動物が出す絶望的な空気。それを見て写真を撮ったり笑ったりするクソ。

おれは何者でもなかった。でも、動物たちも何者でもなかった。虎は人間がカメラを向けると牙を剥いた。俺は吐き気がした。

少し気分がましだ。特に何か素晴らしい体験をしたわけじゃないけど。熊はボールを転がし、猿は警戒したフリをして暴れまわる。名前もわからない動物は自分の存在を知らしめるためにわざとばかなふりをして鳴いている。

神様ってやつがいるなら、多分この世界は失敗作だ。

俺にはまるで、動物が、キグルミを着た人間に見えた。

なぁ、お前ら、バカみたいな顔してかわいいを連呼するお前ら、お前らが動物に見られてるんだぜ、気づけよ、ここは地獄だ。

それでも俺は、何かを探す。それしか出来ない。