at下北沢
大阪弁が響く。
彼女と俺の声であった。
苛立ちによる大声の大阪弁が町に響く。
脳みそで具現化したものがそのまま現れる、まるでアシッドを食いまくったかのようなヤバい町、町全体が芸大だ。
金髪、丸目がね、バギーパンツの女はカメラを持っている。
とんでもない、この町は、発想力というものが欠如している。
刑務所の労働衆のように同じ格好をしたやつら。
全員誰しもが特別だと感じ、町を歩く。
キノコ頭のギター男。
俺はす割り込みながらタバコを吸った。
パンツまで苔を含んだ汚い下水が染み込んできた。
金玉がそのせいで痒いので、金玉を掻きながら歩く。
聖地へと足を早めていく。
見えた!何が?芸大が!
ビレッジバンガード下北沢。
彼女が「うちら間違ってへんわなぁ」と声を粗げる。
気分が悪い。吐きそうである。
あるコーナーから動かないであろうピンク色の髪をしたインスタ有名人の物真似たち。
マネキンだと思ったら女だった。
俺たちは歩き去った。