スラッジ禅問答

ダダは何も意味しない。

グレングールド ベートーベンピアノソナタ

好き、と付き合う、の間の段階と言うのが苦手だ。

全く付き合いたくはない。

かといって好き、じゃないかと言われたら好き、なのだ。

 筆が書きたがっているままに書こうと思う。

だんだん寒くなってきた。秋の寒さには成す術がない。鈴虫か何かが鳴いている。

俺には相手をおもちゃのように扱う、なんてことはできない。風俗嬢にすら、辞めて、と言われたことはしないほどの男だ。当たり前だ。だが俺の存在そのものが相手を傷つけているかも、と言われたらもうどうしようもない。

ベートーベンソナタの2曲目。グールドの味付けが施された曲。テレビでもよく流れるが、このバージョンを聞いちゃうと他は聞けたもんじゃない。音量を上げようかな、波のようにうねる音。流したい涙、流れない。

グールドの椅子のきしり、声が苦痛を感じさせる。生きていても満たされることはない。満たされたことはある。でも、いつも一過性だ。

電車で俺の太ももに寝転ぶあの子の寝顔。青緑色のマニキュアをした指が俺の指に絡まる瞬間。あの瞬間は満たされている。満たされていない部分が残っていて、その感覚すらもどうでもよくなる。

3曲目に変わる。リバーブが薄く、持続してほしい音が切り離されていく。ハミングが鬼気迫る、短調長調の戦い。

ベートーベンは天才だ。メンヘラの。

何を表したいんだろうか、この音としか言い様のない音。タイトルは番号。そうだろう、これにタイトルなど必要ない。速度と計算の間。心臓が打つ音がクリアに耳に染みてくる。

飽きられたときには焼却炉。でも仕方がない。

俺が何を話したいか、誰かわかってくれるか?

秋が過ぎて冬が来る、それと同じで、執着は無意味だ。

俺が死んだら君はなんて言うんだろう。大体俺が死ぬとき隣にいるのは誰なんだろう。

ロヒプノールでも食おうか。